余裕を持って転職活動に挑む｜貯蓄の大切さを考える

転職活動をするということは、現在勤めている会社を辞めるということになります。当然のことながら収入もなくなるので、ある程度の貯金が必要です。では、どのくらいの貯蓄があれば余裕をもって転職活動ができるのか解説していきます。

転職活動を始める際に必要な貯蓄額

会社を辞めると収入がストップしてしまいますが、食費や家賃などの生活費はこれまでとおりかかります。まず1ヶ月でどのくらいの生活費がかかっているのか計算してみましょう。家賃が大きな割合を占めるため、居住地域によって差が出るかと思います。東京都内でひとり暮らしなら家賃は7万円から10万円くらいの人が多いです。

また、車を持っているかどうかでも差が出るでしょう。自動車ローンを返済している最中だと、月に1～2万円くらいかかりかなり大きな負担になります。食費はだいたい3万円前後、水道や電気、ガス代などは合わせて1万円くらいでしょう。他に日用品代が月に数千円程度かかることが多いです。携帯電話も5千円程度はかかるでしょう。衣服代や趣味に使う金額は人によって大きく異なります。これらをなるべく節約しても東京都内で月に15～19万円くらいが必要です。

会社を辞めることで発生する費用も考慮しなければなりません。会社で働いていると、健康保険と厚生年金に加入していますが、会社を辞めると抜けることになります。そして、国民年金保険料を支払い、国民健康保険に加入しなければなりません。全額自己負担であるため、厚生年金や会社の健康保険と比べて負担が大きいです。国民年金保険料は平成29年度は16,490円で国民健康保険料は自治体によって異なります。両方合わせて月に3万円程度はかかると考えておくといいでしょう。ただ、国民健康保険と国民年金保険料は失業者に対する減免の制度もあります。転職活動中で支払うのが厳しい場合には、きちんと減免の手続きを済ませておきましょう。

会社を辞めることで発生する収入もあります。例えば退職金です。勤続年数が短い場合にはそれほど大きな金額ではないですが、転職活動をする人にとってはかなり助かるでしょう。また、雇用保険の基本手当もありますが、自己都合退職の場合には3ヶ月経過しないと支給されません。あまりあてにしない方がいいでしょう。会社を辞めた後、転職先が見つかるまでの平均期間は約2ヶ月です。転職活動が順調に行った場合は、雇用保険を受給する前に次の職場で働き始めることになります。

2ヶ月間生活をするのに必要な金額は少ない場合で30万円弱、多い場合で40万円くらいです。2ヶ月で転職先を見つける前提なら、貯金と退職金を合わせて40万円程度あればいいという計算になります。しかし、ギリギリの金額では精神的な余裕がなく、上手く転職活動を進めることは難しいでしょう。また、転職活動が長引いてしまう可能性も考慮する必要があります。多めにかかる前提で、3～4ヶ月生活できるくらいの金額の貯金があれば、余裕を持って転職活動ができるでしょう。概ね60万円から80万円です。

十分な貯蓄がない場合にはどうするか

転職活動をしたくても、十分な貯蓄がなく、会社を辞めてしまったら現在の生活を維持できないという人もいるでしょう。その場合には、現在勤めている会社を辞める前に転職活動をすることをおすすめします。転職先を見つけてから現在の職場に退職届を提出するといいでしょう。働きながらの転職活動はかなりきつく感じられるかも知れませんが、もっともリスクの小さい方法です。

他にアルバイトなどの副業をしながら転職活動をする方法や、いったん実家に戻る方法もあります。アルバイトをしていれば、少ないながらも収入があるため、貯金が少なくても何とか食いつなぎながら転職活動をすることができるでしょう。転職活動のために一時的に親御さんを頼ることも一法です。

しかし、アルバイトをしながらだと、転職活動がないがしろになってしまうかも知れません。そのままフリーターになってしまう人もいるでしょう。実家に戻ることもあまりおすすめできません。生活に困ることはなくなりますが、その分だけ転職活動に対する本気度が下がります。また、実家が地方にある人の場合には、転職活動をしづらい環境になってしまうでしょう。アルバイトをしながらの場合と同様にフリーターになってしまう可能性が高くなります。

十分な貯蓄がなければ、なるべく出費を少なく抑える努力をするのが望ましいです。交際費や趣味に使う金額をできるだけ減らしましょう。また、十分にお金を貯めてから転職活動を始めるのもいいでしょう。