仕事のモチベーション 西野伸一郎氏|求人情報なら転職サイト[PROSEEK]

転職サイトPROSEEK > 転職コラム > 仕事のモチベーション > vol.13 西野伸一郎氏 (株式会社富士山マガジンサービス)
プロフィール

1964年東京生まれ。88年明治大学卒業。同年NTT入社、システムコンサルタントとして活躍。93年ニューヨーク大学にMBA(経営学修士)留学。95年帰国。その後、シリコンバレーのベンチャー企業への投資やジョイントベンチャーの設立、ポータルサイト「goo」の立ち上げなどに携わる。在職中、西川潔氏(現・ネットエイジ社長)と出会い、98年ネットエイジ設立に参画、取締役に就任。99年3月NTT退職。同年9月Amazon.co.jp設立準備のためにアマゾン本社(シアトル)に入社。2000年11月にAmazon.co.jpを開設、Japan Founder(日本創業者)として事業を成功に導く。2002年7月、日本初の雑誌定期購読エージェンシー「富士山マガジンサービス」設立、代表取締役社長就任。
<会社概要>
雑誌定期購読サイト「Fujisan.co.jp」を運営。あらゆる分野の雑誌2000誌以上の定期購読、500誌以上の14,000号を超えるバックナンバーがウェブサイトと通じて購入できる。
社内風景 インターネット業界未経験のスタッフも多く活躍している。それぞれの個性と経験を生かし、富士山のような日本を代表する会社を目指す。
システム開発部門がサンフランシスコにある。渋谷オフィスとの相互理解を深めるために「All Hands Meeting」と呼ばれるワークショップ(全社集会)を毎年海外で開催している。

―――新卒で入社したNTT時代、どんな仕事を経験しましたか?
西野:1年目は現場に配属されました。横浜の電話局で窓口業務や料金督促を担当し、中華街の中国人や本牧のアメリカ人など、さまざまな人間との接し方を身に付けました。次に大手メーカー向けのシステムコンサルティングを担当しました。私はこの仕事がやりたくてNTTに入社したようなものです。しかし、足を棒にしてかけずりまわるタイプではなく、ひょうひょうと、好きな仕事に好きなように取り組んでいました。

その後ニューヨークにMBA(経営学修士)留学して、現地のインターネットビジネス熱に強く影響されました。帰国後は、シリコンバレーのベンチャー企業への投資や、ジョイントベンチャー設立などに携わっています。華やかなキャリアにみえるかもしれませんが、投資事業では資金が回収できなかったこともあり、かなり痛い目にも遭いました。意外と有名企業同士の合弁事業が不成功に終わったなど、反面教師として学ぶ点も多かったような気がします。
―――NTT在籍中にネットエイジを設立したことが、西野社長にとっての大きな転機になりました。その経緯を教えてください。
西野:当時、NTTが人材派遣会社と合弁会社を作り、パソコン教室のネットワーク化を進めていました。そのリサーチを進める中で出会ったのが、学生を集め「パソコン家庭教師事業」を展開していた西川潔氏(現・ネットエイジ社長)でした。その姿を見て、自分で事業を運営する面白さに目覚めた私は、西川氏と意気投合して「これからインターネットの時代がやってくる。いろいろな事業を起こせる会社を作ろう」とネットエイジの設立に参加しました。土日やアフター5に無報酬で会社を手伝い、アメリカのネットビジネスに関する調査レポートを書いたり、新規ビジネスのプランを作成したりしました。休日はありませんでしたが、私にとっては“趣味”で土日を過ごすようなものだったのです。
―――どうしてアマゾンに入社したのでしょうか?
西野:ネットエイジに「ネット上の書店を開きたい」という相談がありました。我々は「それならアメリカのアマゾンを日本に持ってきたら面白い」と思って、その創業者ジェフ・ベソス氏にメールを送ろうと提案したんです。すると意外にも本人から返信があり、シアトルの本社でプレゼンすることになりました。ジェフは我々の提案を気に入ったらしく、我々がアマゾン本社に1年駐在してこの話を進めることになったのです。
―――その1年間、どんな仕事をしましたか?
西野:Amazon.co.jp立ち上げに向けて、ビジネスプランの策定を進めていました。アマゾン単独での参入、日本企業との合弁会社設立など、複数の案を検討していましたが、調べを進めるほど仕入れや物流面が不安になり、「日本企業と組んだ方がよいのでは」と自分の中では合弁案が有力になっていました。合弁案を最終検討する会議で、私がそのメリット・デメリットを説明すると、すかさずジェフが「お前の力だけじゃ立ち上げられないのか?」と聞くんです。組織人としては「できません」なんて言えません(笑)。つい「できる」と答えてしまったのですが、それが転機になりました。結局我々はそのまま独力で突き進み、仕入れも物流体制も確立させたのですから―――。このとき毅然としたリーダーのあり方も、ジェフから学んだような気がします。
―――西野社長はNTTとアマゾンを合わせると、10年以上会社員を経験しています。その経験から読者に「会社員時代を有益に過ごす方法」をアドバイスしていただけませんか?
西野:会社のカンバンを使って、最大限できることに挑戦してほしい。大胆な発想を繰り返し、同時に徹底的に考え抜くことによって、人は大きく成長できます。自分が失敗したぐらいじゃ会社はつぶれません。わざと失敗したわけでもない限りクビにはならないだろうし、万が一クビになったとしても、これだけ雇用が流動化しているのですから、不安になる必要なんてありません。「会社員というのは不自由なもの」と思い込んでいる人が多いかもしれませんが、実は会社員だからこそできることだってたくさんあるのです。むしろ起業した後の方が、制限されることは多いですね。
―――アマゾンや現在の会社で多くの人材を採用してきたと思います。採用する人材を見極めるポイントをどこに置いていますか?
西野:上手く表現できませんが、転職は「その仕事にワクワクできること」が一番重要じゃないでしょうか。面接をしていると「話が長い人」に会うときがあります。その内容が好きだから話が長いのでしょうから、もしその内容と対象の仕事内容が合致する場合は、前向きに評価したいと思っています。一方、仕事には“ワクワク感”が大切といいつつ、それが簡単にみつからないのも事実です。そういう人は、今の時点で任されている仕事に、徹底的にのめり込んでみてはいかがでしょう。そうすることによって、その仕事が好きになるのだと思います。だまされたと思って、一度やってみてください。
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