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20代の転職(一般事務・ Web系)

キャリアチェンジで天職発見!   鈴木藍(仮名/女性25歳)
広告代理店の一般事務(21〜24歳) > 
Web系制作会社のグラフィックデザイナー(24〜25歳)
となりの席のデザイナー

短大を出て友達に誘われて、入社したのは広告代理店。地元ではそこそこ有名な会社で、そこでなんとなく一般事務をしていました。基本的には電話応対。たまに余っている時間で、広告の入稿や出稿をお客様とやりとりするサポート。「手分けしてやろう」という社風だからなのか結構やることも多くて、受付とか総務とかも経験しながら、でもそれなりに楽しく毎日を過ごしていました。

フロアには大きく3つの部署があって、営業部、制作部、そして私の所属する管理部。制作部とは社内にいる時間がけっこういっしょだったので、広告の入出稿時はよくお手伝いしていました。そんななかで、席の近い、あるディレクターさんと親しくなりました。その業界には珍しい女性ディレクターで頼りがいのあるかんじで「まあね」が口癖。仕事ができて愛嬌もあってしかも美人なのでお客様にも大人気(笑)。歳は3つ上でした。業務的にかぶることも多いから、という理由で彼女に空いている時間を利用して、デザインに関していろいろ教えてもらうことになりました。

一応、どの社員も最低限のことはできるのですが、本当に最低限で。「なんでそうなるか?」とか考えたこともなく、彼女からはなんで赤なのか、なんでこのフォントなのか、なんでこのレイアウトなのか。デザインの基礎と平行して、そうなる理由をメインに教えてもらいました。とくに彼女が力説していたのが、顧客の目的ありき。たとえばポスターという着地が顧客目的を果たせるものでなければ、営業提案ぐらいひっくり返してもいいというぐらいのやや過激な考え方の持ち主で。じゃウチは商売あがったりですねというと「それでいいじゃん」と即答。とても3つ上と思えませんでしたね。

20点ならそれでもいい!

教えられているとき、いろいろな場面で「私には向いてないなぁ」と感じたのですが、そのたびに彼女に上手にのせられてしまって(笑)。彼女にほめられたりするうちに、家でも考えるように。練習用にソフトを買おうと思ったけどびっくりするほど高かったので、終業後の会社で練習する日々。一日何時間費やしたか分かりません。1年ぐらいすると、簡単なデザインならちょっとずつ任されるようにもなってきました。

ただその会社では、いつまでも「事務の○○ちゃん」。いざとなれば周りのフォローがあるという状況。そりゃ精神的にはラクですけど「甘えてないか?」と自問する日々。逃げ場があるというかなんていうか、もっと頼って欲しいんです! 自信もあるんです! とも言えず……。だって本当に事務ですし。とくに気になったのが、となりの席のディレクターの存在。

なんていうんでしょうか。非常におこがましいですが、たぶん一番近い感情はライバル心。最初のぼんやりとした「あぁすごいな、こんなひとになりたいな」から「負けたくない」という方向にスイッチが入ったとき、同じ場所に居るときっと良くないと直感的に感じてしまったんです。たとえば手がけた仕事に対して誰かが「100点!」といってくれたとしても、素直に喜べないと思いました。だってそれはたぶん私だけの点数じゃないから。20点ならそれでもいいんです。まずは自分のチカラを知りたかった。そう思ったら、もう止まれなくて。抜けるのが迷惑だとはわかっていたけれど、自分を優先しました。

会社の空気を長く吸う。

まだ24歳でしたし、クリエイターとしてやりたいこととか得意分野は、きっとこれから見つかると思ったので、なるべく幅広い選択肢がありそうな会社を中心に転職活動。私の場合、学校を卒業後すぐに広告の世界だったので、業界の厳しさも「こんなもんかな」と特に気にはならなかったのですが、そこはアドバンテージだったみたいです。面接で、やっぱり突っ込まれるのが「業務経験があるか」。メインの業務ではなかったことはきちんと伝えてから、それでも任された広告制作ではお客様の声を大切にしてきたことを強く伝えました。

何とか、ITで伸びている会社に入社し、念願の制作部署に配属。前職を辞めてから3カ月ぐらいかかったのでやっぱりうれしかったですね。死に物狂いでがんばらなきゃと思ったのを今でも覚えています。とはいえ最初はつまづきまくりでした。はじめての会社だから、会社のやり方が分からない、不慣れな業務だから仕事の進め方が分からない。何より、制作物ってどこまで作りこめばいいかわからない。これはいまでも分からないんですけど……。とにかくいちいち止まって確認することが多く、チームの皆さんにご迷惑をおかけしたと思います。

だから最初は、会社の空気をできるだけ長く吸うように心がけました。たとえば制作するモノの知識だけじゃなくて、専門用語とか仕事の流れとかよくあるシチュエーションとか。何もかもが分からないので、体で覚えようと。帰るのが遅かったので、家族は本気で心配だったみたいです。毎日がんばっていたらいつの間にか、会社でのあだ名が「ラストサム○イ」になっていました。ラストはいいけど、サム○イって……。

半年過ぎて。

今でもたまに参加しているのですが、短大時代からチアリーディングをしているので、元気には自信があります。逆に声が大きいとか、股割りができるとか、社会人になる前の取り柄とすればそれぐらいしかなく。思えば、事務を選んだのだって、専門的なスキルを求められなさそうかも、という消去法でしたし。ただ潜在的に、職人さんというか専門職みたいな仕事に就きたいとは思っていたんだと思います。

この会社では私みたいにちょっと変わったキャリアの方もけっこう居て、ストレートに専門学校を出ました〜という人のほうが逆に少ないぐらい。業界自体、人材の入れ替わりが多いからそういう会社さんも、探せばけっこうあるって聞きます。個人的に狙い目は、中途入社の人がいっぱいいる会社。転職への理解もあると思いますので。

私にとって大きな決断だったのは、やっぱり以前の会社を辞めると決めたこと。ある程度は、わがままも通る職場だったので、そこに居ても同じようにクリエイターとして生きていけたかもしれないんですけど、成長という意味で考えれば、きっとほとんどなかったと思います。まだまだ20代。長い人生の一部と割り切って、転職を決断できたことが一番良かったことですね。今でもよく分からないことも多いけれど、役に立ってるじゃんといわれれば素直にうれしいです。転職のきっかけになった前職の上司にあやかって、「まあね」とお返ししています(笑)。

鈴木氏 を採用した企業の声(上司・制作ディレクター)

■取材者■採用担当

彼女を採用した理由を教えてください
やけに自信がありそうだったからです。当時、本当のことを言うと、実務経験者の2名採用を考えていました。複数居た候補者のなかで、彼女が一番経験の少ない求職者だったのですが、印象が変わったのは面談でのやりとり。なんというか、経験がないくせにとにかく一番自信がありそうだった(笑)。この仕事は医者と一緒で、ひとたびそこに立てばプロの顔が求められます。未熟は言い訳になりません。面談というプレゼンの場でそれができる、という可能性に興味を持ったのがきっかけです。
彼女はどんなキャラクターですか?
知らないことを強みにできる稀有な性格ですね。相手がお客さんであっても、分からないことは素直に質問して「勉強になります」と頭を下げる。これはなかなかできません。おそらく地で持っている負けず嫌いという性格もアドバンテージ。現場の度胸があるというのは、広告を創る者にとって大きな武器ですし、負けず嫌いというのは、ビジネスパーソンにとって欠かせないスキルです。
彼女の転職は成功ですか?
そうですね。難しいことを抜きに言えば成功といえます。決して大きな会社ではありませんが、当社のように制作分野を限定しない会社は、従業員の視点から考えればぎりぎりまでキャリアの決断をひっぱれる、おいしい環境。現在、彼女にはグラフィックデザイナーとして働いてもらっていますが、興味の方向はどうやらWebにあるらしいので、そちらにシフトしていくと思います。また、いま若干、ひとりで業務を抱えがちになっているのが気になります。人間には一日24時間しかありませんので、誰かに甘える、というのも立派なビジネススキル。戦力ですのでできるだけ長く働いてほしいと思います。一日でも早い独り立ちと、彼女の中で前職の上司を越える日が来ることを願っています。

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