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医療・福祉
有料老人ホーム
【有料老人ホーム 業界動向】
 老人福祉法により定められている有料老人ホームは、「常時10人以上の老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設であって、老人福祉施設でないもの」とされている。原則では介護保険の適用外となる施設だが、都道府県知事から「特定施設入所者生活保護」の事業者指定を受けた有料老人ホームに要介護認定者が入居した場合は介護保険の給付対象となる。開業は都道府県知事への届出制で、その多くが民間による経営である。

 厚生労働省の統計によると、有料老人ホームの施設数は平成11年の調査時点で298ヵ所だったが、翌年以降、350→400→508→694(平成15年現在)と、毎年その数を飛躍的に伸ばしている。「サービス業基本調査(総務省統計局発表)」では、平成16年の「有料老人ホーム」年間収入額は約1305億円となっている。

 高齢化社会が進むにつれ、施設に対しての需要も年々増加しており、定員の問題で特別養護老人ホームに入所できない利用者や、要介護の認定を受けられなかった人が有料老人ホームを利用する動きも多く、入居者数も約4万2700人(平成15年現在・厚生労働省の統計より)と、平成9年と比べて2倍に膨れ上がっている。

 民間の施設には充実した機能を持つものも多くあり、必ずしも入居者に対する介護を必要としない場合もあるという特性もあって、高齢者にとって中身ある老後を送るための「生きがいづくりの場」としての役割も有料老人ホームには求められることになる。入居者のあらゆるニーズに幅広く対応できる経営が可能となれば、「ケアありき」と考えられてきた高齢者福祉に対するイメージも、良い意味で大きく変わってくるだろう。

 高齢化社会の到来によるニーズの高まりに対応したサービスといえるだろうか、最近になって老人ホームの検索サイトが次々とオープンしている。立地から費用、設備、スタッフ体制、介護内容など細かな条件において理想の施設を探せる機能を備えたものや、契約にあたっての基礎知識を記したサイトなど、入居するにあたっての詳しい情報がネットを通して提供されており、入居者やその家族にとっても便利で安心な役割を果たす期待が持たれている。

 「生きがいづくりの場」としての需要拡大を受け、介護スタッフ対応によるナイトクラブや理容(美容)サロンを併設した施設が増える中、生命保険会社と提携して、保険金や給付金で入居費用をまかなうサービスでシェア拡大をねらう有料老人ホームも出てきた。他業種からの参入などでマーケットの動きは、今後活発になると予測されるが、介護士の人手不足や価格競争によるケア技術の低下を心配する声もあり、各企業のコスト対策や人材育成のあり方が問われることとなる。

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