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医療・福祉
病院
【病院 業界動向】
医療法(昭和23年制定)において、病院は「医師または歯科医師が、公衆または特定多数人のため医業または歯科医業を行う場所であって、20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの」と定義されている。傷病者に対して適正な診療を行うことを主たる目的と定めている病院業は、人命や健康に関わる部分を担う重要な業務であるだけに、設立から組織体系、運営など、様々な部分で法律による制約が定められている。

厚生労働省の調査によると、平成16年現在の病院数は9077。病床数は約163万床で、平成2年をピークにその数は年々減少している。国民医療費は約31兆5300億円(平成15年度)で、国民1人あたり年間約24万7000円。所得に対する割合は8.55%と、過去最も高い水準となっている。財源別で見ると公費が34.1%(国庫25.6%、地方8.5%)、保険料が50.2%(事業主20.9%、被保険者29.2%)、15.7%が患者負担となり、被保険者の割合と合わせて約45%を国民の家計から賄っている計算となる。

高齢化社会が進み、医療技術が進歩することでこの先、国民医療費の総額が増大していく可能性は非常に高い。しかし医療費の設定については国にその決定権があり、国の財政安定を第一に考えた操作が今後行われていくと仮定すれば、その負担が国民や病院に向けられることにもつながる。診察料値上げによる国民の負担増は消費の低迷を招き、景気の回復鈍化にも影響しかねない。

一方で平成14年度の改定によって実施された診療報酬の引き下げが今後も続く場合、病院のさらなる経営圧迫につながることも避けられない。倒産件数の増加だけでなく、医療機器などの設備投資や医師、看護師、職員の人件費に影響が出ることで医療サービスや安全性の低下へとつながり、医療ミスなどの問題へと発展する危険も大きくなりかねない。需要の増加が逆にマイナスの要素を生むという、非営利性が原則の医療業界特有といえる非常に難しい事情を抱えており、各方面の様々な問題を加味して国が財源のバランスをどういう形で見直していくのか、今後の動きに注目したい。

都市部に医師が偏在する傾向は年々強くなっており、へき地や離島の慢性的な医師不足は深刻な問題。交通網の整備で無医地区(50人以上が暮らしていながら半径4キロの区域内に医師がいない地区)は減少しているものの、依然として全国の6割近い離島には、常駐の医師が1人もいない状態となっている。厚生労働省は離島が点在する地域で効率的な診療を行うためにヘリコプターを巡回させるなど、医療支援策を拡充する方針を固めた。へき地や離島では高齢者の比率が全国平均よりさらに高くなっているため、早急な医療体制の整備が必要である。

人的配置の不十分さを補う技術としては、ITを活用した医療ケアについても普及への期待が大きくなっている。人工衛星を使ったコンピュータの画面を通しての診察がすでに一部地域において実施されており、将来的には遠隔操作の技術を利用した触診や聴診、さらには内視鏡手術など、治療の段階にまで発展させることも不可能ではない時代となった。システムの導入には開発費、通信費をはじめとしたコスト面の問題が避けては通れないものとなるが、高齢化社会を迎えて医療に対する需要も大きくなる中で、本格的な普及が待たれる。

出産後、何らかの事情で親が養育できなくなった新生児の保護を目的として病院が無条件に受け入れる「赤ちゃんポスト」の設置が話題になっている。ヨーロッパで導入されている実例を参考に、育児放棄や虐待によって乳児の命が失われるのを防ぐための対策であるが、病院が引き取った後の対応、成長後の心理的影響、さらには匿名での利用を認めていることによる赤ちゃん本人の名前や戸籍をはじめとした処遇など、クリアされていない問題は山積みであり、決して抜本的な方法とはいえないのが現状だ。親の保護責任などを含めた法的な整備が不十分なまま熊本県の病院が導入を決定したが、この先「赤ちゃんポスト」全国に広がりを見せていく過程において、各方面での様々な論議が行われていくことだろう。

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