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情報通信・放送
移動電気通信業
【移動電気通信業 業界動向】
移動電気通信業は、言い換えれば携帯電話・PHS事業者の正式名称となる。通信事業の民営化が始まった当初は国際電話、長距離電話といった固定電話に対するサービスの取扱いが中心だったが、移動通信に関しては電電公社時代の昭和43年に誕生したポケットベルがはじまりであり、携帯電話が普及するまでの間、手軽で便利な移動通信ツールとして当時爆発的な人気を呼んだ。

経済産業省発表の「機械統計速報」によると、平成17年の携帯電話年間生産台数は約4709万台(前年比95.1%)となり、ピークとなった平成12年(約6368万台)から続く減少傾向に歯止めが掛かっていない状況だが、社団法人電気通信事業者協会が行った調査では、平成18年1月現在の携帯電話契約数は約9043万で前年同月比0.3%増となっている。またPHSについては、NTTドコモが撤退を発表したものの、定額制サービスを開始したウィルコム(旧DDIポケット)の躍進によって平成18年1月現在で約462万台と、普及については一定の回復を見せている。

短期間に様々な変遷のあった市場だが、現状はNTTドコモ、au、ソフトバンクによる三つ巴の様相となっている。「ワンセグ(地上波デジタル放送)」や音楽配信サービスに代表される、第3世代携帯への対応が大きな話題となっているが、値下げ競争や料金体系の充実など、売上を左右する要素が数多くあるだけに、各社による競合の行方が注目される。さらには番号ポータビリティ制度の導入によってユーザーによる他社への乗り換えが活発化すれば、各社のシェアが大きく変動する可能性も少なくない。

今後も新商品や新サービスの普及具合によって市場の力関係も変化していくであろうが、最近ではこれまであまり注目されてこなかった、主にビジネスマン対応の仕様を持つ法人向け機種についても市場がにわかに動き出している。かつての電子手帳並みの機能を搭載してビジネスツールの1つに仕上げた端末が各社で発表されており、専用のソフトウエアや各種サービスも徐々に充実が図られつつある。従来の娯楽的な要素から離れているために新規開拓の余地が十分に残っていると考えられ、各社間でユーザーの奪い合いがこの先いっそう激しくなっていくことだろう。

携帯電話の番号ポータビリティ制度が10月24日からスタートし、値下げ戦略や新機種発表などを絡めた各社によるPR合戦が激化している。さっそくソフトバンクが「予想外割引」をはじめとした大胆な低料金プランを発表して、利用者の買い換え意欲に訴える戦術を見せたことが話題にはなったものの、各社の料金体系やサービスなどの各要素にはそれぞれ一長一短があるほか、既存の機種を簡単に手放せない心理などもあるために、しばらく市場の様子を見てから行動を決めるという利用者が大半を占めているようだ。制度導入後の純増数ではauが一歩リードしているようだが、この先新たな機能やサービスの開発によって他社と絶対的な差が作られる様相も考えられるだけに、当面は緊迫した市場の状況が続くことになるだろう。

Webブラウザを搭載した携帯電話の登場によって、いつでも、どこからでもインターネットに接続できるようになったことは携帯電話の新たな利点といえるが、その反面、未成年者による有害なサイトへのアクセスが問題視されている。有害サイトへのアクセスから未成年者が事件に巻き込まれるケースも少なくないこと、また、インターネットへの接続という点において携帯電話は保護者の目が届きにくいツールであることなどから、総務省は先日、社団法人電気通信事業者協会と携帯電話事業者3社に対してフィルタリングサービスの普及促進を図るよう要請した。有害なサイトへのアクセスを制限するフィルタリングサービスだがその存在が周知徹底されているとは言い切れず、認知度と利用率をいかに上げていくかが今後の課題となりそうだ。

平成19年3月末でポケットベルのサービスが終了し、機能が充実した携帯電話もマルチメディアとしての進化を遂げる段階に来ているなど、移動通信の市場はこの十数年で劇的な変化を見せた。携帯電話事業としては13年ぶりの新規参入を果たしたイー・モバイルや、同じく新規参入を目指すアイピーモバイルのように、新たな競争相手も続々と現れようとしている。将来的に無線通信網の開放が義務づけられれば新規参入がさらに加速するだけでなく、地域や利用者層を特定した事業者も増えて大手の寡占から細分化へ移行していく可能性も考えられる。利用者に対しては料金の値下げやサービスの拡大が進む流れが予想されているが、既存の大手にとっては、競争相手が増えていく中で現状のシェアをいかに守り抜けるかという点も今後の大きな課題に挙げられることになるだろう。

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