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映像・音声・出版
出版業
【出版業 業界動向】
 昔の出版業は書籍の製造から卸、小売までを行う事業所がほとんどであったが、後に進んでいく分業化によって出版業の定義も変化するようになり、現在の「日本標準産業分類」においては「情報通信業」の大分類に含まれている。出版物の企画や原稿の編集、取次業者や小売業者への営業が主な業務となり、小規模の事業所も多数存在する。

 とはいえ、市場が徐々に縮小化している現状においては大手出版社による寡占への動きが加速しているようだ。総務省統計局の「事業所・企業統計調査」によると、平成16年現在の「出版業」事業所数は5405ヵ所で、平成13年に比べて97ヵ所減少している。

 書籍については新刊の点数が伸びている割に、売上へはつながっていない状況が続いていたが、「ハリー・ポッター」や「世界の中心で、愛をさけぶ」「冬のソナタ」など、映画やテレビドラマの人気と連動してのベストセラーが相次いだ効果で、売上の減少傾向には一応の歯止めがかかった格好となっている。さらには自費出版のブームによって、新風舎や文芸社といった、自費出版サポートを主な事業とする出版社が新刊の点数や収益を伸ばしているのも注目されるところである。

 一方で雑誌については売上、収益の落ち込みが止まらず、業界全体で苦戦が強いられている。インターネットの普及による情報提供の多様化や、企画のマンネリ化による内容の希薄傾向などによって需要が低下しており、一時の情報誌ブームなども下火になっている。中でもリクルートが海外旅行誌「エイビーロード」を休刊させ、同誌の旅行予約サイトにサービス機能を一本化することを発表したニュースは、情報のペーパーレス化が進む流れを象徴する事例ともいえる。同一ジャンルで多種類の雑誌が発行されているなど、市場内部での飽和状態も原因の1つと考えられ、既に進んでいる売上が伸びない雑誌の淘汰はさらに加速していくことだろう。よほど斬新なコンセプトを持った雑誌でも登場しない限り、今後の大きな収益の増加は難しいと思われる。

 最近ではITの発展によって、デジタル書籍(e−book)も話題を集めている。専用の端末も発売されており、メモリーに保存された何百冊というデータをいつでも引き出せるという特徴を持っている。携帯電話向けサービスにおいても新作マンガを雑誌掲載日よりも早く配信するサービスが導入されるなど、活用の動きが徐々に活発化しているが、本格的に普及するかどうかはまだ微妙なところである。便利さばかりが先行し過ぎて「実際に本を手に取り、その重量感を味わいながら読む」という、読書本来の醍醐味が失われてしまうデメリットは大きく、現状では幅広い年齢層に受け入れられる魅力には欠けるようだ。システムにおいてもまだまだ改良の余地が見受けられるだけに、特に活字離れが進む若年層にとって使いやすいツールとなるような、さらなる工夫を望みたい。

 キャラクター設定やストーリー性に優れる日本の漫画は海外でもアジアを中心に高く評価されている。そんな中、電子書籍業大手のイーブックイニシアティブジャパンと、京セラコミュニケーションシステムは共同で、中国語や英語に翻訳した漫画を海外市場に向けてネット配信するサービスを開始。海外市場では海賊版や不正コピーがたびたび問題となるが、独自の電子書籍フォーマットを導入し、専用ソフトを用いないと閲覧が不可能なため、著作権保護の面でも安全性が高いという。縮小傾向の続く業界の起爆剤となりうるかどうかに注目が集まる。

 一方で、既存の紙媒体についても売上回復に向けた思案が続いているが、各社が狙う読者層はやや年代を上げて、中高年へとシフトされつつある。ファッション誌もこれまでの20〜30代を中心としたものに加えて、対象を40代以上の富裕層に向け、高級志向を感化した中身の雑誌もこの先続々と創刊される見通しだ。高所得者を読者に取り込むことで、海外ブランド品をはじめとした高額アイテムの購買意欲をかき立てる効果も期待されているが、雑誌から発信される形としては「ちょいワルブーム」に続く、中高年層に絡んだ新たな流行も生まれるかもしれない。

 漫画雑誌などの分野では、携帯電話向けの配信サービスが強化されていく流れにあるようだ。雑誌ではなく携帯で漫画を読むことが若者の間で定着してきたためで、さらにサービスの認知度を高めようとする動きが今後いっそう活性化していくものと思われる。紙媒体からデジタルデータへの移行は大きな変化だが、それをデメリットとするのではなく、各社がこれから取り組んでいくであろうWebコンテンツならではの新しい試みに期待したい。

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