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キャリアデザイン発想法(生き方ルールブック)

1キャリアを考える目線

1.3 ビジョンから考える遡り発想

(1)積上げ発想と遡り発想

私たちは誰でも過去から現在という時間を生きてきました。そしてこれから現在から未来へという時間を生きていきます。したがって人生の時間を見る目線というものは、現在から未来へ向かって伸びていきます。これが素直な時間に対する目線でしょう。

マネジメントの世界においても同様です。時間軸に関わる概念としての「経営目標と経営計画」は、まずはじめに次年度目標があり次いで2年後、3年後という具合に目標を積み上げていき、それから各年度の経営計画を作成していきます。

私はこの発想を積上げ発想と呼んでいます。積上げ発想は現在を基点に思考を積上げていきますから、現実性、確実性は高いものがあります。ただし飛躍的な発想は出にくい発想です。

自分のキャリアを積上げ発想で考えると、まず来年はどうしよう、そして再来年はどうしようという具合に考えていくことになります。きわめて着実・堅実な考え方です。ただし発想自体の根底に「予想、予測」が強く働いてしまいます。「どんなに頑張ったってせいぜい来年はこんなものだろう」「恐らく3年くらいではこの程度しかできないだろう」といった具合です。従って、結果的に現状の延長線上に将来の目標が設定されることになります。

キャリアを考えるもう一つの目線は、発想をまったく逆転させた「遡り発想」です。これは、はじめに将来のビジョンや目標が設定されます。ここではビジョンを例にとりましょう。

まず5年後とか10年後のビジョンをいきなり先に設定します。この時には積上げ的な手掛かりが何もありませんから、自分の夢や願望等を手掛かりにせざるを得ません。「5年後にはああなりたい」「10年後にはこんなことをしたい」という具合になります。従って予想、予測の入り込む余地はありません。その分、発想の飛躍が可能になります。

例えば5年後のビジョンが設定されたとしましょう。遡り発想では、この5年後のビジョンを基点に時間軸を設定します。

5年後にこのビジョンを実現するためには、時間軸を遡って4年後はどんな状態を実現させる必要があるかと考えを進めていくのです。4年後にその状態を実現するとするならば、さらに時間軸を遡って3年後はどんな状態を実現させる必要があるか、さらに2年後は、1年後はという具合です。

(2)遡り発想は「夢実現発想」

その時の気分に任せて行き当たりばったりでも楽しい旅行はできます。明日はあそこへ行こう、あさってはあそこへ行こう、といった具合です。しかし「いつまでに、○○に着いて日の出を見たい」という旅行は、そこから遡って列車ダイヤを見ながら旅行計画を作らなければなりません。
前者の積上げ発想は一見、着実、堅実な発想に見えますが、実は5年、10年という長い時間でみると、結果的に成り行き任せになってしまいます。例えてみると、日々の航海は安全、確実だけれども、結局どこへ向かって船を進めているのか分からないような船旅になってしまう恐れがあります。目的地の無い航海ならばこれはこれで実に快適な航海になるでしょう。

逆に後者の遡り発想は一見、無謀な飛躍した発想に見えますが、「いつまでに、○○を実現したい」という夢実現、大目標達成には不可欠な発想なのです。

あるキャリアプラン作成研修のとき、1人の女性が「やっとビジョン実現のめどが立った」と喜んでいました。彼女はそれまでうすぼんやりとではありましたがビジョンらしきものを持っていました。ところが発想が積上げ発想だったために、いくら考えてもビジョンに届きそうもないという壁にぶち当たっていたのです。

ところが遡り発想は「ビジョンを実現するためには遡ってどうするか」を考えていくため、いつのまにか今まで越えられなかった壁を越してしまったのです。彼女にとってはまるで魔法のような体験でした。

「本当?」と思った方は、是非、積上げ発想と遡り発想の両方を試してみてください。きっと遡り発想の力が分かると思います。

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